2020年8月31日月曜日

映画『有りがたうさん』(1936年)のロケ地探し 13

 東海岸をワープしながら進んだ映画もここからはいよいよ内陸へと向かうことになる。白浜を砂塵を上げながら走り去るシーンの直後は下の場面になる。バスの窓から娘役の惜別の表情を横からとらえる。






















 この直後は海から遠ざかる場面。去り行く海への惜別といったところだろうか。
 この場所についてはまだわかっていない。コメントを頂いたように、非常に特徴的な地形ですぐにわかるのではという気にもなるのだが、東海岸の南の方は1970年代の二つの地震で地滑り等の大きな被害にあっており、道路がかなり変わっていたりする。また鉄道が通ることにより開発も進み、戦前の様子とはだいぶ違っているようだ。

























この直後は再度惜別。今度は後ろから撮影だ。















 




 この娘役を演じるのは築地まゆみ。1920年生れで、映画公開時は16歳。2020年は生誕100年となる。公開の翌年、急性肺炎で短い一生を終える。
 2020年、コロナと呼ばれるのが一般的になった感染症だが、当初は新型肺炎と呼ばれることも多かった。事情を知ると、惜別の表情も物悲しい。




次に現れる二つの場所も残念ながら不明だ。


















 次に登場するのがトンネル。旧峰山トンネルだという説があるが、現在廃道なので現状はわからない。ただ古い航空写真と照合すると、道路の曲がり具合が一致するので、旧峰山トンネルなのだろうと思われる。旧峰山トンネル、といってしまったが、本来の名前は『河津隧道』というようだ。ここでようやく本来の下田街道になる。映画の伊豆の踊子などでは完全に無視された下田・河津間の一部が姿を現す。













 














  トンネルの次の場面は河津。







































 道路沿いには樹木が繁茂して眺望が悪く、正確な場所ではないと思うが、まあこの辺りか。



























 次の場所は河津川に架かる旧河津橋。現在の橋はコンクリートのアーチ橋で、やや下流側に作られたようだ。




































 草木に遮られて橋が見えないが、セブンイレブン駐車場脇の赤いアスファルトが、橋を渡った先。












 この後、映画は河津橋を渡りながら、河津川上流部を撮っていく。下は2013年撮影の写真になる。左側の樹木の成長は当時のままのようだ。その一方、手前の大きない岩は当時と変わらないようだ。この右側部分は床止工事がされて、大きなコンクリートブロックが川底に埋め込まれているが、工事の影響は受けなかったようだ。














































ストリートビューではこの辺り。右側に古い橋の跡らしきものがみえる。
















0 件のコメント:

コメントを投稿