2016年7月14日木曜日

伊豆 本谷川と伊豆の踊子(1963年)


 ハードディスクが2台ほぼ同時におかしくなった。一つはOSの入ったハードディスクでもう一つは写真などの資料が入ったハードディスクだ。どうやらフリーソフトでパーティションの拡大と縮小を繰り返した際のブートレコードに問題が生じたらしく、ウインドウズのスキャンディスクをかけた直後から、パーティションを認識しなくなった。あれこれ手を尽くしたが、結局元通りにはならず、一度フォーマットしてからファイルを救い出すことになった。ウインドウズについては再インストールとなった。
 jpgファイルはおおむね救い出すことはできたが、rawファイルは駄目だったものも多い。とりわけシグマのSD15で撮ったX3Fファイルは全滅だった。さて写真を救い出したものの、元のファイル名が失われ、通し番号に変わってしまった。コツコツと作り上げてきたツリー構造も完全に失われた。膨大な数の写真ファイルをexif頼りに分類して整理し、ツリーを作り直す羽目になった。未だ完全に戻ったというわけではないが、なんとか整理の目的は達せられる状態にはなった。その一方、Cドライブに一時的に収められていた動画のキャプチャー画像は失われてしまった。これも一からやり直しとなった。

 というわけで、記念に1枚アップしておこう。
 これは2013年の5月下旬に渓流釣りに行った際に撮ったものだ。伊豆狩野川の源流にあたる本谷川にかかる橋だ。国道414号線から旧大川端キャンプ場へと向かう橋だ。この日は水量が少し乏しく、渓流の景観という点では今一つ物足りないが、新緑が美しかった。




 伊豆の橋といえばこの映画。1963年版『伊豆の踊子』のワンシーン。高橋英樹が急な雨に打たれて急いで橋を渡る場面だ。
 伊豆での渓流釣り歴が長い者としては、この川はいったいどこかと興味がそそられた。川はいわゆる平川で流れが平坦で、こういう地形では周囲に畑などがあり、川べりは護岸壁に囲まれているのが伊豆では普通だ。しかしこの川には護岸壁がない。一体どこだ、と思いを巡らすと本谷川があった。そして最初に候補に上がったのが、大川端にかかる上の橋だった。
 しかし検討してみるとどうも違う。橋を渡り切ると大川端の方は傾斜面になってしまう。映画の方は何やら小屋のような建物がある。とするとどこなんだ?ということになる。




 そしてたどり着いたのがここだ。ずばり滑川橋が、『伊豆の踊子』の撮影で使われた橋だった。決め手は橋近くにある木の瘤が一致すること。今にも川に落ちそうな平たい岩の存在とそれを支えるかのように立っている2本の木だ。






 映画撮影当時はずいぶん開けた感じだったが、半世紀後の現在はうっそうとした森の中という感じになっている。橋自体は懸けかえられて新しくなっている。橋の下には古い橋のコンクリートが残っている。古い橋を見るとコンクリートがせり出して増水時の川の流れをせき止めかねない構造になっており、この部分を広げたようだ。もちろん幅も拡張している。映画では橋を渡ると小屋のような建物があるが、現在は井上靖の記念碑が建てられている。橋のすぐ上流には現在は大きな砂防堰堤が作られており、その影響で橋周辺の流れの中の岩は黒ずんでいて、見た目が悪い。


《追記》
 失われた写真を整理していたら、古い橋の跡が出てきたので、アップロードしてみた。