2017年6月30日金曜日

映画『有りがたうさん』(1936年)のロケ地探し 8

 前回の場所から先は今のところ不明な場所が2カ所現れる。

















  上の二つの地点の後、下の場所が映し写し出される。切通しを抜けてくる車を後方へ向けたカメラでとらえるシーンだ。































この切通しの次に出てくる場所との関連を考慮すると下の場所が映画の場所のようだ。道路が大幅に拡張されていることもあって、ここだと言い切れる材料がないので断言はできないのだが、おそらく間違いないと思う。










上にも触れた次の場所が下の画像だ。後ろからやってきた乗用車がバスを強引に止めて追い抜いていくシーンで、固定カメラで撮られている。

 この場所が白浜であることは他のブログなどでも知られているところだが、ここではもう少し踏み込んで撮影地点を探してみよう。


































 バスが停車している場所を見ると、石積みの擁壁の上に道路があることがわかる。左側が低く、右側へ行くほど高くなっている。カメラは窪地を挟んだ位置に置かれ、この風景を撮っていることになる。

 ストリートビューでこの窪地と石積みを探してみても、それらしきものは見つからない。 
 新旧航空写真やら地図を眺めていると、事情が分かってきた。この窪地には水路があって、石積みの擁壁は橋となっていたのだと思う。Gogoleの地図にはこの水路がははっきり示されている。現在のこの場所は道路沿いの部分が暗渠化され、そこに建物が建っている。 道路からはわかりにくいが、水路は現存するわけだ。




 ストリートビューだとこの辺りの角度になるだろうか。水路のあった場所には白浜観光と書かれ建物があり、その脇近辺がカメラの据えられた場所だろう。